観察日記 その4

複雑な心境で荷物をまとめる

突然終わりがやってきた入院生活

トボトボと会計に向かう

あれっ
窓口の向こうで見たことのある懐かしいお顔が見えた。
娘と息子の面倒を見てもらった保育士さんだ。
子育てのしんどい時期にいっぱい支えてもらった、私にとっては姉の様な存在の人。
何とまぁーーー

「ママちゃん、どうしたの?」
彼女は、私のことを昔からママちゃんと呼ぶ。
久しぶりに懐かしい呼び方をされて、ほんわかした。
何故、今この病院にいるのか、手短に説明した。
会計を待つ間、孫の話に花が咲く。

「ママちゃん、家まで送って行くわ」
「え、えーー、いいんですか?!」
素直にご好意に甘えた。
ありがたい。

思えば、この病院で娘と息子を出産した。
父も入院した。
母はこの病院で亡くなった。
孫もこの病院で生まれた。
命のバトンを受け渡し、時がゆっくりと流れていく。
今の私の歩き方のように、
よたよたしながら、ゆっくりと。

無事家に帰って
雑用があることに感謝しつつ
横になりながら少しずつ片付ける

もう少し元気になったら
鶏の唐揚げをたっぷり作って思いっきり食べよう。

周りの人に助けられながら生きていることを
生かされていることを
噛み締めた短い旅だった。

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